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バンクーバーに移住してかれこれ14年。ひょんなことから、パティシエになりました。日々のできごと、料理、もちろん、スィーツの紹介。


by ralamartin
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私の事 17

バッフェ(ビュッフェ)と言えば・・・宴会のPlated dessertみたいに、一種類ではない・・・ケーキをやムースケーキやタルトを何種類も作らないといけない・・・他にフィンガーサイズのスィーツやプリンや色々・・・。“んーっ” と考えていると・・・シェフが、“今度の木曜日、あの、例の、今度クラブで結婚披露宴をする、ほら、君のデザートを気に入った、ウェディングのブライド(花嫁)とそのお母さんとグルーム(花婿)に、テイスティング・デザート・ビュッフェとして、ミニ・サンプルのデザートビュッフェをファーガソン・ルームでするように提案したら、とても喜んでたよ。簡単なものでいいんだ。Fumi,何か作ってくれるかなあ?” 私が熱い人間だと知っていたシェフは、ホントに上手く利用しました。仕事のことなら、絶対にNOと言わない私・・・“ハイ、作りますよ。どんなものがいいんでしょうか?”と聞くと、シェフが“彼らは、Individual(個別の)の2口くらいで食べられるような小さ目のデザートも入れて欲しいって言うんだ。君のティラミスもすごく気に入っていたし、ミニ・ティラミスと、ミニ・フルーツタルトとかあとピーカンパイも好きだと言ってたし・・・フルーツをマルティーニカップに入れたものや・・・なんでもいいよ。できる?” と言われ、“がんばりまっす!”と私。そうなったら、すぐに仕込みにかからないといけません。あと、2日くらいしかないんですから!タルトシェルを焼いたり、シュー皮を作ったり、ティラミスを仕込んだり、その二日間はいつもより早めに出勤し、この、サンプルのデザートバッフェの仕込みに終われました。レストランの仕事自体はFairmont時代に比べれば、ぜんぜん簡単だったので、そそくさとレストランの仕込みは終え、デザートバッフェの仕込みをしました。同じアプレンティスのコックが、“What is that bxxch trying to do!?(あの、アマ、何をしようとしてるんだ!)” と嫉妬心むき出しで怒ってたみたいですが・・・無視ーーー。だって、シェフからの指令だもん。で、縮小版サンプル・デザートバッフェの当日・・・約束の時間の・・・確か、1時半くらいだったかな・・・にファーガソン・ルームにデザートバッフェのセットアップをしました。花もクラブがひいきにしている花屋さんから、シェフが勝手にツケで買ってきて(笑)、テーブルクロスやら花で見栄え良くデザートバッフェを作りました。セッティングは、シェフと、そのころ昼のレストランのソース担当のシニア・クックのケビンと一緒にしました。サンプル・デザート・バッフェが出来て、下っ端の私たち(私とケビン)はそそくさとキッチンへ帰り・・・シェフがお客様に披露し、説明をされたのでした。お客様は・・・もちろん、大喜びで(だって、自分たちだけのためにそんなのしてくれたんですからねぇ~)、“ウェディングの日が待てない!” とおっしゃるほど、興奮して喜んでいらっしゃったとのことでした。それはそれで良かったのですが・・・シェフが “ブライドに、今、Fumiがウェディングケーキのコースを取ってるっていったら、ウェディングケーキも作って欲しいといってたよ!”と・・・。このシェフ、アイルランド人で・・・イギリス人と似たようなところがあるのですが・・・言う事が大げさなので・・・そしておしゃべりなので・・・こんなことをまたポロリと軽く言ってしまって・・・。ウェディングケーキ・・“・ウソやん・・・いきなりかいな・・・。コース終わったばっかりで、作ったことないねんけど・・・。”と内心、思いました。やっぱり、クラブの名もあるので、変なものはだせないので、“シェフ、ウェディングケーキ、作ってもいいですけど・・・作ったことが無いですし・・・お客様が満足できるようなものは作れないかもしれません。”と言いました。すると、“大丈夫、大丈夫。君がまだ、コースを終わったばかりで作ったことが無いのはあちらも知ってるから。でも、君の一生懸命さがデザートに出ていて、それが好きなんだと言っていたんだ。君の第一号のウェディングケーキを頼めるなんて光栄だと言っているよ。責任はオレがとるから。”と。この、シェフ、ホントに人をおだてるのが上手く・・・そして何より、このシェフの長所は自分のスタッフをテコでもサポートするところだと今でも思います。その言葉に負け、“オッシャァー!やるしかないじゃん!”といきり立ったのでした。不安だったけど、“一生懸命やって後悔が無いようにすればええやん、なんとかなる!”と思い、そのウェディングのためにケーキとデザートバッフェをDo my bestですることにしたのでした。
このカップルのウェディングは・・・すごかったです。とにかく、花の種類と質と豪華さに圧巻されました。私、OOOクラブに9年いますけど、あの花の豪華さに勝るウェディングはいまだに見ませんね。たくさんのお金持ちの人が毎年結婚披露宴をされますが、そしてゲストも200人とか250人とか大きなウェディングレセプションをされますが、このカップルのわりと小さ目の100人のウェディングなのに・・・花の量がそして質と種類は・・・何回も言いますけど凄かったです!花をデリバーするエレベーターがキッチンにあるのですが・・・花が止めどなくエレベーターから運ばれてくるのを見たのを覚えてます。ホントにEndless Flowerでござんした。そのとき、私も写真を撮ればよかったのですが・・・デザートバッフェの用意とウェディングケーキの用意で余裕がなく・・・その現場を写真に収めることができなかった・・・。残念。
ウェディングケーキも無事、作り終え・・・今見ると恥ずかしい・・・むっちゃ、初心者してる・・・
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2段のケーキで、確か・・・バニラ・スポンジケーキにバニラ・バタークリームとシンプルなものだったと思います。モスグリーンがお好きだということで・・・モスグリーン色のフォンダントをケーキにかぶせ、黄色、ピンク、緑のシュガーペーストのバラの花を作りました。
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この、シュガーペーストで作るバラの花、すごく時間がかかるんですよ~。なぜかというと・・・バラって花びらが多いので、それを一個一個作って、貼り付けて・・・という作業を繰り返し・・・休みの日も頑張って家で作ってたけっかなぁ~。懐かしい・・・。
デザートバッフェも無事に作り終え、このカップルもとても喜んでいらっしゃいました。後日、お花屋さんから私宛に花が届けられ・・・その頃、もう、前の夫とは別居をしていたので、彼からのはずもなく・・・・誰からだろ?と思っていたら・・・あの、ウェディングのカップルからメッセージつきで花が私に贈られてきたのでした。嬉しくなるような、お礼の言葉が述べてありました。この仕事、やってて、よかったな~!と実感した瞬間でございました。

でもでも・・・なぜか、デザートを作る人の方向に仕向けられているけど・・・私はクック。シェフになりたいのよ!と、急に思い出しました。アプレンティスシップ・プログラムもやらねば・・・。デザートなんてやってる場合じゃないよ!アプレンティス・シップ・プログラムの件、どうなってるのかシェフに乗り込んでいきました。

つづく・・・

Fumi
by ralamartin | 2009-10-05 13:43 | 私の事