フランス旅行記 プロローグ3
2010年 04月 02日
今日は、パリにある、由緒あるレストラン、La Tour D’Argentについて書きたいと思います。
これは、ワタシが初めてフレンチーと一緒に行ったフランス旅行・・・
かれこれ、7年前になります(シェーっ!時間が経つのは早いものだわっ!)。
料理の業界にいる以上、一度は行って見たかった、トゥール・ダルジャン・・・
セーヌ川から望む”銀の塔”という名のレストラン。
ミシュラン・ガイドブックが発行されて、レストランの星の格付けがされ始めた1930年代から3つ星を取り続けたレストランなのかはよく知らないのですが・・・
各国の大統領、首相、天皇陛下や王侯貴族が訪れる由緒ある、格の高いレストラン。
「この業界にいる以上は、絶対に行かないといけない!」
と思っていたので、フレンチーと行ったのです。
その頃は、既に、3つ星から2つ星に格下げされてしまっていましたが、そんなことは関係ありません。1582年から続くレストランをこの目で見るために行きました。
予約は、夜の8時とかだったと思います。ミシュランの3つ星クラスは、だいたい夜の8時からの予約を受け付けます。なので、この時間帯でも一番乗りの方。
レストランの入り口に着くと、檻みたいなのが降りていて、その向こうから3~4人の人たちが見えました。そのうちの一人が檻を内側から開けて、
「ムッシューOOO。お待ちしておりました。ようこそ、わがトゥール・ダルジャンへ」
みたいな事を言って、迎えてくれました。
その後は、檻を閉め、女性の方がワタシ達をエレベーターへ案内し、それも鍵でいちいち開けて上のダイニングルームまで連れて行ってくれました。もう、この最初の1分で超特別待遇~!もう、単細胞のワタシ達はKingとQeenになった気分!
エレベーター係の女性から、ダイニング・ルームのマネージャーらしき人にバトンターッチ!
今度は、窓際のセーヌ川を見下ろせるステキなテーブルに案内されました。夜景も綺麗だったよん!
もう、田舎もんやから、緊張して、アミューズ・ブッシュとか覚えてない・・・どんなワインをオーダーしたかも・・・確か、ソムリエの方に相談したら、お手ごろな、とても味わい深いワインを選んでくださいました。アペタイザーは確かオマールのラビオリだったような・・・今まで食べたことの無い、お上品なお味で、ワタシの舌がとても喜んでいたのを思い出します。
メインコースは
トゥール・ダルジャンといえば・・・鴨料理。
鴨のシヴェをフレンチーと食べました。
この給仕さんの前にある、特別な道具を使って、鴨の血抜きをしてソースを作ってくれます。
その様子はこちら。人によっては、ちょっとグロテスクかもしれないので、苦手な方は見ないでね。
格別おいしい~っ!とも思わなかったですが・・・「これが、かのトゥール・ダルジャンの名物料理か!」と思いました。この鴨料理を食べると、記念に何羽目の鴨を食べたかの番号が付いた記念のはがきをくれるんですよ。(家の中のどこかにあるはず)
食後は、フレンチーはチーズを、ワタシは桃のフランベを食べました。
完璧と言う言葉はあまり使いませんが・・・
この桃の火の入れ加減!完璧でした。
1つのデザートに3人の給仕で出してくれ・・・
1人は桃をフランベする人、2人目はパウンドケーキをスライスして出してくれる人、3人目は自家製のアイスクリームをクネルして出してくれる人・・・。この給仕たちの手際のよさも、経験を物語ってました。
「今夜は最高やね~。」
なんて話しながら、最後のカフェを飲んでいると、給仕の方がさりげなく来て、さりげなくワタシ達と話してくださいます。フレンチー、もう、すっかり王様気分で気が大きくなったのか、フランス語で「こちらのマダムはボクのガールフレンドでね、今はカナダでお菓子を作ってるんだけど、とても仕事に情熱的で才能もあるんですよ。ここの料理をずっと食べたくて・・・今日はとても感動してるんです。」とか何とかいってました。すると、給仕の方、トゥール・ダルジャンのオーナーのムッシュー・テライユのところに行ってなにやら話してます。そうこうしてると戻ってきて、「ムッシュー・テライユがワインセラーにご案内しなさいと言ってくれてますが、拝見されますか?」と仰ってくれるじゃないですか!うっそーっ!ソムリエのメッカ、トゥール・ダルジャンのワインセラーだよー!
また、あの、スペシャルなエレベーターに案内され、地下のワインセラーへ。
そこには莫大な数のワインがありました。
この青年、ボルドー大学でワインの勉強をしてると言ってました。研修で来てたのか・・・そこで働いているのかは忘れましたが、フレンチーにフランス語でいろいろ説明してくれました。ワインセラーの歴史もね。第二次世界大戦のとき、ヒトラー率いるナチス・ドイツからワインを守るために、ムッシュー・テライユ自ら大切なワインを隠すため、隠しドアみたいなのをつけて守ったとか。400年以上も続いているレストランだから、歴史の重みはすごいですよね。アマニャックをご馳走になりながら、いろいろな話に耳を傾けました。
ワインセラーで、ムッシュー・テライユからもらった自叙伝と共に2人で記念撮影。
もう、このときは、感無量でしたよ~。
一介のワタシ達のようなコックでも、馬鹿にせずに同じ業界の者として、尊敬の念を持って接してくれたムッシュー・テライユとそのスタッフ達。今、思い出しても感動して泣けそう~。カナダではコックはそれほど知名度がない仕事。今でこそ、スターシェフとかいますが、やはりまだまだ社会の中では下のほうです。でも、「こうやって、プライドを持って仕事をやればいいんだ!」と思い知らされた夜でした。もう、この経験は2度と忘れることができません!
帰りも余韻にふけりながら、ノートルダム寺院の辺を2人で歩いて幸せなときを過ごしました。
ワタクシ、ミシュラン、ミシュランと言っておりますが・・・
決してブランド志向でもなんでもないのですが、こういう老舗のレストランは、サービスが断然、他所と違います!あのさりげないサービスとお客様第一に考えるところ。あと、とてつもない素晴らしい経験をものの3時間の中で作り上げてくれるのです!
そんな、オーナー、シェフ、そして給仕たちに乾杯っ!
Fumi
これは、ワタシが初めてフレンチーと一緒に行ったフランス旅行・・・
かれこれ、7年前になります(シェーっ!時間が経つのは早いものだわっ!)。
料理の業界にいる以上、一度は行って見たかった、トゥール・ダルジャン・・・
セーヌ川から望む”銀の塔”という名のレストラン。
ミシュラン・ガイドブックが発行されて、レストランの星の格付けがされ始めた1930年代から3つ星を取り続けたレストランなのかはよく知らないのですが・・・
各国の大統領、首相、天皇陛下や王侯貴族が訪れる由緒ある、格の高いレストラン。
「この業界にいる以上は、絶対に行かないといけない!」
と思っていたので、フレンチーと行ったのです。
その頃は、既に、3つ星から2つ星に格下げされてしまっていましたが、そんなことは関係ありません。1582年から続くレストランをこの目で見るために行きました。
予約は、夜の8時とかだったと思います。ミシュランの3つ星クラスは、だいたい夜の8時からの予約を受け付けます。なので、この時間帯でも一番乗りの方。
レストランの入り口に着くと、檻みたいなのが降りていて、その向こうから3~4人の人たちが見えました。そのうちの一人が檻を内側から開けて、
「ムッシューOOO。お待ちしておりました。ようこそ、わがトゥール・ダルジャンへ」
みたいな事を言って、迎えてくれました。
その後は、檻を閉め、女性の方がワタシ達をエレベーターへ案内し、それも鍵でいちいち開けて上のダイニングルームまで連れて行ってくれました。もう、この最初の1分で超特別待遇~!もう、単細胞のワタシ達はKingとQeenになった気分!
エレベーター係の女性から、ダイニング・ルームのマネージャーらしき人にバトンターッチ!
今度は、窓際のセーヌ川を見下ろせるステキなテーブルに案内されました。夜景も綺麗だったよん!
もう、田舎もんやから、緊張して、アミューズ・ブッシュとか覚えてない・・・どんなワインをオーダーしたかも・・・確か、ソムリエの方に相談したら、お手ごろな、とても味わい深いワインを選んでくださいました。アペタイザーは確かオマールのラビオリだったような・・・今まで食べたことの無い、お上品なお味で、ワタシの舌がとても喜んでいたのを思い出します。
メインコースは
トゥール・ダルジャンといえば・・・鴨料理。
鴨のシヴェをフレンチーと食べました。
この給仕さんの前にある、特別な道具を使って、鴨の血抜きをしてソースを作ってくれます。
その様子はこちら。人によっては、ちょっとグロテスクかもしれないので、苦手な方は見ないでね。
格別おいしい~っ!とも思わなかったですが・・・「これが、かのトゥール・ダルジャンの名物料理か!」と思いました。この鴨料理を食べると、記念に何羽目の鴨を食べたかの番号が付いた記念のはがきをくれるんですよ。(家の中のどこかにあるはず)
食後は、フレンチーはチーズを、ワタシは桃のフランベを食べました。
完璧と言う言葉はあまり使いませんが・・・
この桃の火の入れ加減!完璧でした。
1つのデザートに3人の給仕で出してくれ・・・
1人は桃をフランベする人、2人目はパウンドケーキをスライスして出してくれる人、3人目は自家製のアイスクリームをクネルして出してくれる人・・・。この給仕たちの手際のよさも、経験を物語ってました。
「今夜は最高やね~。」
なんて話しながら、最後のカフェを飲んでいると、給仕の方がさりげなく来て、さりげなくワタシ達と話してくださいます。フレンチー、もう、すっかり王様気分で気が大きくなったのか、フランス語で「こちらのマダムはボクのガールフレンドでね、今はカナダでお菓子を作ってるんだけど、とても仕事に情熱的で才能もあるんですよ。ここの料理をずっと食べたくて・・・今日はとても感動してるんです。」とか何とかいってました。すると、給仕の方、トゥール・ダルジャンのオーナーのムッシュー・テライユのところに行ってなにやら話してます。そうこうしてると戻ってきて、「ムッシュー・テライユがワインセラーにご案内しなさいと言ってくれてますが、拝見されますか?」と仰ってくれるじゃないですか!うっそーっ!ソムリエのメッカ、トゥール・ダルジャンのワインセラーだよー!
また、あの、スペシャルなエレベーターに案内され、地下のワインセラーへ。
そこには莫大な数のワインがありました。
この青年、ボルドー大学でワインの勉強をしてると言ってました。研修で来てたのか・・・そこで働いているのかは忘れましたが、フレンチーにフランス語でいろいろ説明してくれました。ワインセラーの歴史もね。第二次世界大戦のとき、ヒトラー率いるナチス・ドイツからワインを守るために、ムッシュー・テライユ自ら大切なワインを隠すため、隠しドアみたいなのをつけて守ったとか。400年以上も続いているレストランだから、歴史の重みはすごいですよね。アマニャックをご馳走になりながら、いろいろな話に耳を傾けました。
ワインセラーで、ムッシュー・テライユからもらった自叙伝と共に2人で記念撮影。
もう、このときは、感無量でしたよ~。
一介のワタシ達のようなコックでも、馬鹿にせずに同じ業界の者として、尊敬の念を持って接してくれたムッシュー・テライユとそのスタッフ達。今、思い出しても感動して泣けそう~。カナダではコックはそれほど知名度がない仕事。今でこそ、スターシェフとかいますが、やはりまだまだ社会の中では下のほうです。でも、「こうやって、プライドを持って仕事をやればいいんだ!」と思い知らされた夜でした。もう、この経験は2度と忘れることができません!
帰りも余韻にふけりながら、ノートルダム寺院の辺を2人で歩いて幸せなときを過ごしました。
ワタクシ、ミシュラン、ミシュランと言っておりますが・・・
決してブランド志向でもなんでもないのですが、こういう老舗のレストランは、サービスが断然、他所と違います!あのさりげないサービスとお客様第一に考えるところ。あと、とてつもない素晴らしい経験をものの3時間の中で作り上げてくれるのです!
そんな、オーナー、シェフ、そして給仕たちに乾杯っ!
Fumi
by ralamartin
| 2010-04-02 14:59
| フランス旅行記2010